「
浜町レトロ」というブログで「
語尾伸び……」ということが書かれている。声優さんのタマゴらしい人が朗読の練習についての経過を書いている。
「どんなに呼吸や口のあけ方を調節しても、「私はぁ~」とか「それはぁ~」になってしまうのだ。我ながらどう対処していいのか困っている多分科学的に解明するすべはある(開口や呼吸法など)と思うが、まだ発見できない。」
筆者は呼吸や口の開け方だと考えているようである。だが、問題は発声である。とくにノドの力なのである。わたしは以前から、日本語のアクセントは高低ではなく、強弱であると主張しているが、アクセントの技術が発声にまで影響するのである。
高低アクセントで「平板」とされる語句のアクセントは、強弱アクセントでは語末にアクセントがつくのだ。たとえば、「ふるいけ(古池)」は高低アクセントでいうなら平板であるが、じっさいは「ふるい
け」となる。ただし、その発声が問題で、口の先から声を立てて「け」と発音するのではなく、下あごを平らにするようにして飲み込むようにノドの力を入れる発声だ。
筆者の問題にする語尾ならば、「ふるいけで、あそぶな。」という文の「で」の発音である。この場合も、「けで」は飲み込む発音にすれば、語尾をのばす余裕はなくなる。語尾が延びる一つの理由は、高低アクセントの理論にもとづくアナウンスの原理である。アタマでは高く出て終わりを軽く止めるというよみをすれば、当然、文末は軽い発声になり声も延びる。
そのような癖をなくして、メリハリのあるよみをするためには、強アクセントのつく文字にねらいを定めて黒丸印をポイントとして打つ「アクセントポイント」という方法がよいとわたしは考えてるいる。その一例として、
「銀河鉄道の夜」の記号づけシリーズを参照してほしい。