わたしの表現よみに感心してくださって、音声言語のはたらきについて書いてくださった
サイトがある。残念ながら、コトバの意味と意味の乗物のちがいについての理解が不十分なようなので、コトバのはたらきの理解のために役立つ「コトバの網の図」について説明をしようと思う。下記の図をクリックして拡大図を見ながら説明を読んでほしい。
ここで問題にするのは、声で発せられたコトバがどのように聴き手によって受け止められるかということである。
右側の人が「もの・こと」について考えたことを
コトバの網を通してコトバにして口から発する。この場合は「話(音声言語)」となる。注目してほしいのは、このトロッコのようなかたちの意味の乗物である。ここに「もの・こと」についての考えが乗るのである。
左側の人は耳で聴いたコトバを
コトバの網を通じて意味を理解する。この理解には二た通りがある。相手の考えた「もの・こと」を直接に想像するAコースと、相手のコトバから正確に相手の考えを想像して「もの・こと」を想像するBコースである。Aコースが主観的になる危険があるのに対して、Bコースは相手のコトバにしたがった忠実な理解である。(このコトバの網の図は大久保忠利が工夫したもので「大久保モデル」とも呼ばれるものである。
日本コトバの会ではこの図を基礎に言語を学んでいる)