3年前に『朗読の教科書』を書いた。音声言語の表現の方法と技術の本だ。今度は、文章の本だ。といっても、いわゆる文章読本ではない。まったく別の角度から文章上達の方法を考えた。
文章能力には三つの要素がある。(1)発想力、(2)展開力、(3)推敲力だ。これまでの文章の理論では、(1)と(2)に止まっていた。だから、文章の能力が高まらなかった。
今回の本は、『文章添削の教科書』である。人の文章を添削して、推敲能力を高められるという本だ。三つの要素から構成されている。じっくり読みたい人は、本文、手早く理解したい人は図表だ。30くらいが掲載されている。ノウハウを知りたいなら、赤ペンの画像を見れば方法がわかる。
こんな本は、おそらく日本に100年間なかった。夏目漱石「吾輩は猫である」以来の文章構成技術の本である。