10年前に挫折したクロマチックハーモニカの練習を始めて半年ほどたった。
これを機会に、表現よみの息づかいとの関係で発見したことがあるので覚え書きとして書いておく。
●口の形――口先をとがらしてくわえるのではない。それでは口元がこわばってしまう。田中光栄さんは「がばっとくわえて、ほっぺたがふくらむような吹き方がいい」と語っている。そして、下唇で受け止めて、上唇はリラックスした状態になる。そんなくわえかたの代表が、トゥーツ・シールマンス、スティービー・ワンダーだそうだ。
●吹き方の息づかい――拙著『朗読の教科書』には、息の3通りを書いた。「プー、ハー、シー」である。「プー」は、ろうそくの火を吹き消す息、「ハー」は、冷たい手のひらを温める息、「シー」は、静かにしろ!と注意する息、である。ハーモニカというと「プー」と吹くのかと思っていたが、朗読と同様、安定した息づかいは「ハー」になるようだ。
以上のような音の探求から、わたしがたどりついたのは、SUZUKI楽器の
シリウスシリーズである。
その中から、シリウス S-56S を買って、ますます以上のような吹き方がいいと納得している。