論文を書くときには引用は論文の三分の一くらいまでが限度だということを読んだ覚えがある。これは、書いている論文についてのことだ。では、引用される著作や論文についてはどうだろうか。どのくらいまで引用することが許されるかということは議論されていないようだ。
わたしがそんなことを思いついたのは、著作権の切れていない文学作品などを音声化して公開するようになってからだ。現在、実行していることには、次の三つの原則である。
(1)テキストの全部はよまないことにする。
(2)どの出版社のどのテキストをよんだか明示する。
(3)できることなら出版社か著者に音声化したことを通知する。
わたしの考えは著作権のあるテキストをよむときにも、論文の引用に準じた原則をとることである。小説の場合は、もともと音声化を目的とするものではないから問題はない。しかし、戯曲はもともと上演のために書かれたものである。上演ならば上演許可というものが必要であるが、よむだけならばどうなるか問題になる。
また、上の原則でもそれぞれ問題がある。(1)では、著作全体のどこまでよんでいいのか。(2)では、ほかの出版社で同じ作品を出版している場合どうするのか。(3)出版社や著者が音声化を拒否したらどうするか、といったことである。
以上の原則についてお考えのある方との話し合いなどもしてみたいと思っている。