近ごろ、また、朗読のある種のプームが来ている気がする。これは何年かおいて繰り返されていることだが、今度は、若い人たちの間で、朗読を聴いてみようかという関心が増えたようだ。
次には、自ら朗読をしてみようかという人たちが増えることに期待している。そのときに、まず求められるのが発声である。発声は歌の分野での独壇場というところがある。だが、言葉の表現の発声と歌の発声の方法には若干のちがいがある。腹式「呼吸」という呼び名も発声の訓練のうえでまちがいを生んでいるようだ。
また、朗読のスタートでも、ただ文字を読むことから脱するためには文法的な基礎も求められる。文字が読めれば朗読できるというものではない。というわけで、私のここ数年の論文の中から朗読の参考になるものを取り出して、PDFの形式で読めるように公開することにした。
「
渡辺知明著作&論文リスト」から新しいものを取り出すと下記のとおりになる。この中で今回の追加は、文学作品の表現よみのための基礎理論となるものである。 『日本のコトバ』22号所収のものと、『日本のコトバ』26号所収のものだ。 (PDF版)としてリンクした。
●2012年
《論文》
朗読と表現よみとの距離―『朗読の教科書』その後の発展―
(『日本のコトバ31号』2012/12日本コトバの会編)
・《著作》
『朗読の教科書』文部省学習指導要領準拠(2012/3パンローリング社)
●2011年
・《論文》
日本語の音声リズムと表現よみ―朗読理論の再検討(
PDF版)
(『日本のコトバ30号』2011/12日本コトバの会編)
●2010年
・《論文》
表現よみと文章推敲の接点―表現よみ理論ノートその6
(『日本のコトバ29号』2010/12日本コトバの会編)
●2009年
・《論文》
表現よみで文学作品をよむ―佐伯一麦「独楽屋」を例に
(『日本のコトバ28号』2009/12日本コトバの会編)
●2008年
・《論文》
表現よみとコトバの力―夏の勉強会基調講演
(『日本のコトバ27号』2008/12日本コトバの会編)
・《パンフ》
グレン・グールドで朗読論―音楽と朗読との関係(
PDF版)
●2007年
・《論文》
表現力をつけるための発声法――表現よみ理論ノート・その5(
PDF版)
(『日本のコトバ26号』2007/12日本コトバの会編)
●2006年
・《論文》
印つけでよむ日本国憲法「前文」―添削と推敲のための文章のよみ方
(『あゆみ62号』2006/4日本コトバの会文章教室編)
・《パンフ》
『表現よみのすすめ』私家版4冊セット
●2005年
・《パンフ》
『表現よみ理論入門(改訂4版)』私家版
・《論文》
日本語のリズムと強弱アクセント―表現よみ理論ノート・その4(
PDF版)(『日本のコトバ24号』2005/12日本コトバの会。湯山清著『国語リズムの研究』1944/国語文化研究所)
●2004年
・《論文》
折口信夫『言語情調論』をよむ―表現よみ理論ノート・その3
(『日本のコトバ23号』2004/12日本コトバの会。音声表現のための日本語の根本的な検討)
・《論文》
文章力とコトバの体系-文章の中で単語をどう生かすか
(『あゆみ60号』2004/4日本コトバの会文章教室。文章を書くときに単語はどのように考えるか)
●2003年
・《論文》
表現よみに生かす文法の基礎―初歩のよみから芸術のよみへ(
PDF版)(『日本のコトバ22号』2003/12日本コトバの会。文章をよむための文法と声との結びつき)