5月14日(月)上毛新聞(群馬県)に『朗読の教科書』のインタビュー記事が掲載されました。
わたしの話の全体をとらえて見事にまとめてくださっています。
この記事をきっかけに、地元では『朗読の教科書』が売れ出したそうです。

朗読の教科書
渡辺知明
パンローリング 2012-03-16
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『朗読の教科書』は、日本朗読検定協会の朗読検定のための認定図書であるとともに、文部科学省の「新学習指導要領準拠」をうたっています。下記のような項目については、本のなかで解説されていることを「あとがき」のなかに書いています。
まずは、小学校の国語科の先生によんでもらたいと思っています。また、中学生や高校生ならば、自力で読めるような内容に仕上がっています。それどころか、音声言語能力の不足を感じているオトナにとっても役に立つ実践的な本になっています。
新学習指導要領・小学校国語(平成23年4月から実施)◆第1学年および第2学年 ○姿勢や口形、声の大きさや速さなどに注意して、はっきりした発音で話すこと。
○語のまとまりや言葉の響きなどに気を付けて音読すること。
○言葉には、事物の内容を表す働きや、経験したことを伝える働きがあることに気付くこと。
○音節と文字との関係や、アクセントによる語の意味の違いなどに気付くこと。
○言葉には、意味による語句のまとまりがあることに気付くこと。
○文の中における主語と述語との関係に注意すること。
◆第3学年および第4学年 ○相手を見たり、言葉の抑揚や強弱、間の取り方などに注意したりして話すこと。
○内容の中心や場面の様子がよく分かるように音読すること。
○目的に応じて、中心となる語や文をとらえて段落相互の関係や事実と意見との関係を考え、文章を
読むこと。
○場面の移り変わりに注意しながら、登場人物の性格や気持ちの変化、情景などについて、叙述を基に想像して読むこと。
○易しい文語調の短歌や俳句について、情景を思い浮かべたり、リズムを感じ取りながら音読や暗唱をしたりすること。
○長い間使われてきたことわざや慣用句、故事成語などの意味を知り、使うこと。
○言葉には、考えたことや思ったことを表す働きがあることに気付くこと。
○修飾と被修飾との関係など、文の構成について初歩的な理解をもつこと。
○指示語や接続語が文と文との意味のつながりに果たす役割を理解し、使うこと。
◆第5学年および第6学年 ○目的や意図に応じて、事柄が明確に伝わるように話の構成を工夫しながら、場に応じた適切な言葉
遣いで話すこと。
○自分の思いや考えが伝わるように音読や朗読をすること。
○親しみやすい古文や漢文、近代以降の文語調の文章について、内容の大体を知り、音読すること。
○文章の中での語句と語句との関係を理解すること。
○語感、言葉の使い方に対する感覚などについて関心をもつこと。
○文や文章にはいろいろな構成があることについて理解すること。
朗読の教科書
渡辺知明
パンローリング 2012-03-16
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『朗読の教科書』の「参考にした文献」について解説をしておきたい。
一般に「参考文献」というと、2つの意味が感じられる。
(1)「次の文献を参考にするといいですよ」というメッセージ
(2)「わたしは次の文献を参考にしてこの本を書きました」というメッセージ
わたしの場合は、「次の文献が執筆のために参考になった」という意味で掲載した。ということは、「参考にしなかった文献」があり、「参考にならなかった文献」もあるということである。
「おや、あの本が入っていない」と思われる人がいるだろうが、かなりの文献に目を通した上で、下記の文献を選択しているのである。今回、執筆のために、以前に見たものであっても新たに10冊以上、買い込んでいるし、この40年近い研究の間に読んでいる朗読関係の本は100冊以上になるだろう。
また、この一覧で工夫したのは、「著作年代順」に配列したことだ。これによって、朗読の理論のながれが読み取れるだろう。冒頭の吉田一穂は、わたしのアクセント論の2音3音区切りの提唱者であり、最後の金田一春彦は、アクセントは単語ではなく、文のながれにおけるワンポイントによって捉えられるのではないか、という提案をした人である。『朗読の教科書』では、2音3音区切りによるワンポイントアクセント理論を原理としている。
●参考にした文献(ほぼ著作年代順)・吉田 一穂 「メカニズム」1930 『吉田一穂全集Ⅱ』1983 小澤書店
・日下部重太郎『朗読法精説』1932 中文舘書店
・神保 格 『読本の朗読法』1940 晃文社
・湯山 清 『国語リズムの研究』1944 国語文化研究所
・幸田 露伴「音幻論」1945『露伴随筆集(下)』1993 岩波書店
・久保 栄 『久保栄演技論講義』1976 三一書房
・S・K・ランガー(池上保太/矢野萬里訳)『芸術とは何か』1967 岩波書店
・メルロ=ポンティ(木田元ほか訳)『言語の現象学』2001 みすず書房
・坂田午二郎『やさしい発音・発語指導』1973 日本特殊教育協会
・野口三千三『原初生命体としての人間』1972 三笠書房
・大久保忠利『楽しくわかる日本文法』1976 一光社
・荒木 茂 『表現よみ入門』1979 一光社
・石田佐久馬『音読・朗読・黙読』1979 東京書籍
・竹内 敏晴『話すということ(ドラマ)――朗読源論への試み』1981 国土社
・大久保忠利・斎藤郁子編『表現よみと国語教育』1983 明治図書出版
・近江 誠 『オーラル・インタープリテーション入門』1984 大修館書店
・日本放送協会編『NHKアナウンス・セミナー』1985 日本放送出版協会
・石塚 雄康『いき・こえ・ことばのイメージ―日本語のための呼吸・発声・発音法』1992 青雲書房
・下川 浩 『現代日本語構文法―大久保文法の継承と発展』1993 三省堂
・渡辺 知明『表現よみとは何か――朗読で楽しむ文学の世界』1995 明治図書出版
・杉藤美代子『声にだして読もう!――朗読を科学する』1996 明治書院
・NHK放送文化研究所編『NHK日本語発音アクセント辞典』1998 日本放送出版協会
・NHKアナウンス・セミナー編集委員会編『新版NHKアナウンス・セミナー』2005 NHK出版
・中村 明一『「密息」で身体が変わる』2006 新潮社
・下川 浩 『コトバの力・伝え合いの力』2009 えむ企画出版社
・金田一春彦監修『新明解日本語アクセント辞典CD付き』2010 三省堂
以上
朗読の教科書
渡辺知明
パンローリング 2012-03-16
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3月14日から拙著『朗読の教科書』が発売になった。本には、索引もついているのであるが、どのような作品を引用して解説をしたか、改めて抜き出してみた。下記にページと作品の一覧を上げておこう。
【引用作品】
103ページ「雨ニモマケズ/宮沢賢治」
105ページ「古池やかわず飛び込む水の音/松尾芭蕉」
106ページ「短歌2首/石川啄木」
108ページ「ことわざ―犬も歩けば棒にあたる/弘法にも筆のあやまり/無理が通ればどおりが引っ込む」
117ページ「走れメロス/太宰治」
131ページ「五十音/北原白秋」
150ページ「カイロ団長/宮沢賢治」
170ページ「手袋を買いに/新美南吉」
173ページ「思い出/太宰治」
195ページ「清兵衛と瓢箪/志賀直哉」
201ページ「檸檬/梶井基次郎」
203ページ「銀河鉄道の夜/宮沢賢治」
204ページ「満願/太宰治」
204ページ「魚服記/太宰治」
205ページ「小僧の神様/志賀直哉」
206ページ「城の崎にて/志賀直哉」
207ページ「猿ヶ島/太宰治」
207ページ「山月記/中島敦」
208ページ「オツベルと象/宮沢賢治」
209ページ「坊っちゃん/夏目漱石」
210ページ「セロ弾きのゴーシュ/宮沢賢治」
210ページ「赤西蠣太/志賀直哉」
213ページ「永訣の朝/宮沢賢治」
218ページ「こころ/夏目漱石」
219ページ「Kの昇天/梶井基次郎」
230ページ「駈込み訴え/太宰治」
231ページ「吾輩は猫である/夏目漱石」
233ページ「カチカチ山/太宰治」
233ページ「八十八夜/太宰治」
234ページ「瘤取り/太宰治」
248ページ「ごん狐/新美南吉」
257ページ「夢十夜/夏目漱石」
263ページ「富嶽百景/太宰治」
263ページ「城のある町にて/梶井基次郎」
271ページ「鼻/芥川龍之介」
271ページ「蜘蛛の糸/芥川龍之介」
280ページ「猫の事務所/宮沢賢治」
323ページ「クローディアスの日記/志賀直哉」
324ページ「最後の一句/森鴎外」
324ページ「藪の中/芥川龍之介」
以上
朗読の教科書
渡辺知明
パンローリング 2012-03-16
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今、わたしは朗読の原理で2音3音の発音というものを提唱している。
これは、朗読の技術の発展段階として、文字を読むのではなく、音声としての表現に転換させるための原理である。要するに、コトバの区切りを2音か3音ごとに区切って読んで、区切りごとに一つのアクセントをつける読み方である。ちなみに、このアクセントは高さのアクセントではなく、強さによるアクセントである。
この読み方をすることによって、いくつかの効用がある。一つは、コトバの意味を自ら理解し易くなること、もう一つは、文章を暗記するときにし易くなること、さらに、話しかたに応用すると説得力を増すことなどが挙げられる。
それで、私は、Amivoice SP での音声入力に意識的に応用してみたのである。この記事はその報告である。技術的なことは分からないが、経験上の結果をいうと、認識率がかなりアップしたと言える。もちろん、最近のバージョンアップ 1.03 になってからの変換効率の上昇には著しいものがあるが、それに加えて発音の意識の効果があるらしいのだ。
これまでと同様の入力をしているのだが、2音3音の区切りによる強さアクセントに効果があったようだ。ほとんど、100%に近い。ここからは、わたしの想像になるが、音声認識ソフトというものは、ゲシュタルトとしての単語のまとまりの音声波形で判断をするのだそうだ。人間は文字で認識して文章を読むのだが、音声認識ソフトは音のまとまりの波形をよみとるのだ。ならば、2音3音の区切りと、強さアクセントの2つが、認識率のアップにつながるということが言えそうである。
以上、技術的な知識がないままで、あくまで経験的なことから感じたことである。ちなみに、わたしの使用しているソフトと機材については下記に紹介をしておく。
◎私が使用中の、(0)無線マイク、(1)マイク、(2)USBデバイス、(3)AmiVoice SP(マイク無し)
(0)
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近ごろ、また、朗読のある種のプームが来ている気がする。これは何年かおいて繰り返されていることだが、今度は、若い人たちの間で、朗読を聴いてみようかという関心が増えたようだ。
次には、自ら朗読をしてみようかという人たちが増えることに期待している。そのときに、まず求められるのが発声である。発声は歌の分野での独壇場というところがある。だが、言葉の表現の発声と歌の発声の方法には若干のちがいがある。腹式「呼吸」という呼び名も発声の訓練のうえでまちがいを生んでいるようだ。
また、朗読のスタートでも、ただ文字を読むことから脱するためには文法的な基礎も求められる。文字が読めれば朗読できるというものではない。というわけで、私のここ数年の論文の中から朗読の参考になるものを取り出して、PDFの形式で読めるように公開することにした。
「
渡辺知明著作&論文リスト」から新しいものを取り出すと下記のとおりになる。この中で今回の追加は、文学作品の表現よみのための基礎理論となるものである。
『日本のコトバ』22号所収のものと、『日本のコトバ』26号所収のものだ。
(PDF版)としてリンクした。
●2010年
・《論文》表現よみと文章推敲の接点―表現よみ理論ノートその6
(『日本のコトバ29号』2010/12日本コトバの会編)
●2009年
・《論文》表現よみで文学作品をよむ―佐伯一麦「独楽屋」を例に
(『日本のコトバ28号』2009/12日本コトバの会編)
●2008年
・《論文》表現よみとコトバの力―夏の勉強会基調講演
(『日本のコトバ27号』2008/12日本コトバの会編)
・《パンフ》グレン・グールドで朗読論―音楽と朗読との関係(
PDF版)
●2007年
・《論文》
表現力をつけるための発声法――表現よみ理論ノート・その5(
PDF版)
(『日本のコトバ26号』2007/12日本コトバの会編)
●2006年
・《論文》印つけでよむ日本国憲法「前文」―添削と推敲のための文章のよみ方
(『あゆみ62号』2006/4日本コトバの会文章教室編)
・《パンフ》『表現よみのすすめ』私家版4冊セット
●2005年
・《パンフ》『表現よみ理論入門(改訂4版)』私家版
・《論文》日本語のリズムと強弱アクセント―表現よみ理論ノート・その4
(『日本のコトバ24号』2005/12日本コトバの会。湯山清著『国語リズムの研究』1944/国語文化研究所)
●2004年
・《論文》折口信夫『言語情調論』をよむ―表現よみ理論ノート・その3
(『日本のコトバ23号』2004/12日本コトバの会。音声表現のための日本語の根本的な検討)
・《論文》文章力とコトバの体系-文章の中で単語をどう生かすか
(『あゆみ60号』2004/4日本コトバの会文章教室。文章を書くときに単語はどのように考えるか)
●2003年
・《論文》
表現よみに生かす文法の基礎―初歩のよみから芸術のよみへ(
PDF版)
(『日本のコトバ22号』2003/12日本コトバの会。文章をよむための文法と声との結びつき)
岡本太郎生誕100年を記念しての組みよみを
「お話しPod表現よみ作品集」│
(前半)、
(後半)│で公開した。
岡本太郎が父・岡本一平と岡本かの子とヨーロッパに出かけたときの往復書簡を構成したものです。(校正・脚色=渡辺知明)
2000年12月8日、
千一夜会・第2夜の公演での録音です。読み手は、渡辺知明、平野純子、小脇貞子、神門彰子。
2010年12月7日(土)日本コトバの会の表現よみフェスティバルで、新美南吉「ごんぎつね」をテキストにして記号づけの解説をした。それをYouTubeにアップした。
わたしの読みは下記のサイトで聞くことが出来る。
http://www.ohanashipod.jp/podcast/watanabe/2010/02/post_25.html
2010年12月7日(土)日本コトバの会の表現よみフェスティバルで、新美南吉「ごんぎつね」をテキストにして記号づけの解説をした。それをYouTubeにアップした。
わたしの読みは下記のサイトで聞くことが出来る。
http://www.ohanashipod.jp/podcast/watanabe/2010/02/post_25.html
2010年12月4日(土)日本コトバの会主催の表現よみフェスティバルで、新美南吉「ごん狐」の記号づけの解説をした。(
YouTubeの画像つきページ)
そのときの、記号づけを紹介する。この方法によって作品の理解が深まるということが証明された。(当日は、一、四、六を取り上げて記号づけをして、二、三、五は要約で読みました)


私のよみの実例は下記のサイトにある。
http://www.ohanashipod.jp/podcast/watanabe/52/
【増補記事】今年、表現よみオーの会10周年記念公演で、チェーホフ「かもめ」(堀江新二訳・渡辺知明脚色)のドラマリーディングをした。そこから学ぶことが多くあった。それで、3月に公開した記事を増補しておく。
朗読において表現力を向上させるために、ドラマリーディングの訓練が有効である。作品の読みあげのようなよみから脱するためには、地の文と会話とを思い切って切り離してみるのである。地の文は聴き手に対する「語り」として、会話はドラマの世界の「セリフ」として表現するのである。
もちろん、既成の戯曲をそのまま上演することも可能である。しかし、よみの場合には、舞台装置や照明や音楽などが不要であるし、舞台転換の自由さがある。セリフばかりではなく、語りを取り入れて数時間の戯曲を1時間以内でまとめることも可能である。
わたしの指導する表現よみオーの会では、これまで下記のようなドラマリーディングの公演をしてきた。また、練習用としてもいくつかのドラマリーディングの台本を作成してきた。「ハムレット」をのぞいて、すべてがオリジナルの台本である。
作 品 /
作 者 (
公開年 )
録音公開サイト○【追加】
かもめ/チェーホフ渡辺知明ひとりよみ/
ロシア文学・表現よみの会○
ハムレット/シェイクスピア(2004年福島公演)
「お話しPod表現よみ作品」○
猫の事務所/宮沢賢治(2005年秋田公演)なし
○
カチカチ山/太宰治(2005年5周年記念公演)なし(
参考よみ)
○
シラノ・ド・ベルジュラック/ロスタン(2006年福島公演)
別館【表現よみ作品集】○
マクベス/シェイクスピア(2007年福島公演)
「お話しPod」の広場○
リア王/シェイクスピア(2008年福島公演)
「お話しPod表現よみ作品」○
銀河鉄道の夜/宮沢賢治(2009年福島公演)
別館【表現よみ作品集】○【追加】
セロ弾きのゴーシュ(2010福島公演)近日公開予定
○
オツベルと象/宮沢賢治(2009年東急カルチャーBE雪が谷)なし
○
牛肉と馬鈴薯/国木田独歩(2009年川崎多摩表現よみの会)なし
○
セロ弾きのゴーシュ/宮沢賢治(2010年5月1日福島公演予定)なし
○【追加】
かもめ/チェーホフ(堀江新二訳・渡辺知明脚色)(2010年10月30日)
お話しPodの表現よみ作品 上記の作品の公開サイトでお聴きになると、ドラマリーディングの楽しさがお分かりになると思います。
※論文の紹介 明治二十四年(1891)三月二十五日発行の雑誌『棚草紙』第十八号に「朗読法につきての争ひ」と題して、「森林太郎」の署名で掲載されて、のち『月草』に収められた。朗読に関する重要な発言を取り出して、渡辺が読みやすく書き直した。小見出しも渡辺がつけた。原文は『鴎外全集』第二十二巻(1973第一刷、1988第二刷。岩波書店)に収録されている。
●二人の論争者 関根、饗庭の二氏が、東京専門学校で和文朗読法の科目を設けようというと、とたんに読売新聞の紙上で一場の筆戦が始まった。科目を設けることを可とするのは、「東京専門学校文学科一学生」と名乗る人で、これを不可とするのは、日就社員の一人だとかいう「A生」である。
「一学生」は朗読法の本質については別に説明しない。ただ、「専門学校の朗読法はどんな方法で行うか、夢にも知らない」というだけである。二氏の争いを取り上げた新聞の雑報でも、饗庭氏が国民之友に書いたものと同じような歴史上の例を引いただけである。そして、「朗読法とはいかなるものかということについては、我が国ではいまだ読み方とか朗読法とかいう一定の規則立ったものがあるとは聞かない。東京専門学校の一科目とした結果がどうであるかによっては、明治の文学界に一つの新模様を出すことになる」とあるだけだ。「A生」もまた朗読法の本質には説を及ぼさずに、「それが一変して芝居道の本読みとなり、さらに一変すると、卑猥な声色遣いになってしまう」とだけ言っている。
●ことばの訓練の四段階 そもそも人の語ることばには美醜があって、醜いものを美しくするには方法がある。試みにゲーテの論をもとに解説すれば、第一は、地方の訛《なま》りを捨てることである。第二は、発音を正しくすること。第三は、文の抑揚を表現して情にながされないように読むこと。第四は、己《おのれ》を文中の人物の地位に置いて、文中に表現された情を思うままに発動させて読むことである。このような段階を経て修行を積んだ人は、日常のことばまで、苦労せずに美しくすることができる。
*
最後に二段階では、その区別は量的なちがいによって生じるといえる。およそ、ものを読むとき、音の抑揚が少しもないものを純粋な素読という。しかし、抑揚をつけまいと思っても、自然に多少の抑揚はつくものである。おじいさんが新聞を読むときのような調子がつくのも自然の勢いである。すでに、音の抑揚がついてしまうものならば、それに正不正があって、不正なものを捨てて、正しい抑揚を研究しなければならない。
さて、抑揚のなかでも、一語における抑揚(アクセント)は、個人の発音において正すべきものである。たとえば、くもという語では、
●レシテーションとデクラメーション さて、自分の読む文章を他人のものと思いなして、他人の情を汲みとるような心となるときには、情が弱くなるので、読み手が情に制される心配はない。
このような読み方は、西洋文明の語ではいわば、三人称のことを言う心で読むべきで、我がことでもないし、あなたのことでもなく、「彼」のことを言う心で読むべきである。これを、レシテーション Recitation という。もし、この情が強くなるときには、ついに言語を左右することになる。文章を読む人が、我を忘れて、身を作中の人物の地位に置いて、情の動くに任せてことばを発すること、たとえば、俳優が舞台で演ずるような場合がこれである。
これは、デクラメーション Decramation という。レシテーションの三人称は、デクラメーションでは一人称になって、彼は我となる。要するに、レシテーションは進むとデクラメーションになるものなので、私はこの区別を量的なものであると呼んだのである。
A生は、専門学校の朗読法が一変して芝居道の「本読み」のようになることを恐れ、また、さらに声色遣いのようになるのを憂えているという。朗読法とはレシテーションである。本読みもまたレシテーションである。朗読法はとりもなおさず本読みだが、朗読法が本読みとなるには一変する必要もない。
A生は、芝居道の「本読み」というものを卑しむべきもののように言うが、それは芝居道が地位の低い者の仕事だとする日本人の常識を脱していないからである。朗読法、そのものは美しく読む方法であって、ほかの行住坐臥を美しくすることと同じで、文明開化の結果であるから、劇の脚本について行うのにも何の不思議はない。
●声色とその模倣のいやらしさ A生はまた、「専門学校の朗読法を再編すると、声色使いのようになる」と危ぶんでいる。朗読法は本読みへと変わらざるをえないが、それはデクラメーションである。声色使いというのはデクラメーションの真似である。A生は声色使いを、下卑たものだと罵るのだが、そのゆえんは、朗読法でもなく、本読みでもなく、デクラメーションでもなく、模倣だということから生ずるのである。
一例をあげるならば、脚本を公衆の前で読むことがあれば、これはレシテーションではなく、朗読でもなく、本読みでもない。これは下卑たものではない。この脚本が興行されて、団十郎や菊五郎などの俳優が、作中の人物に扮して、せりふを語るならば、これはディクテーションである。これは下卑たことではない。ここに声色使いがある。そのわざとするところは、人物に扮した団十郎や菊五郎の口吻を真似て、人の喝采をえようとする。落語家が自戯 Selbstironie の心で、声色使いの卑しさをあざけり、自分のやりかたで人の声を表現するというのもまたその意味である。
模倣の卑しさは、朗読法とデクラメーションとが卑しいということの証明ではない。模倣者のことを憂えて、その原因を断とうとするなら、卑しい守銭奴がいるといって貨殖家を罵ったり、偽君子がいるといって君子を笑うことになる。
●朗読とテキストの種類 私は朗読のテキストについて論じたい。テキストについてA生は「ヨーロッパの朗読法はおもに戯曲、あるいは戯曲的な文章を基本としている」というだけである。読売の記者もまた、古人が源氏物語の一段を朗読したこと、専門学校では……
A生は「ヨーロッパの朗読はただ単に戯曲のみを基本とするのではなく、おもにオレーション、あるいは勇壮なる戯曲をとることはをすすめている。
A生はついでに、朗読材料に適したものを示そうといって、「日本外史」にても可なり、「盛衰記」にても可なり、「史記」にても可なり、「太平記」にても可なりといい、「源氏物語」、近松の浄瑠璃などは優れているし艶もあるが、朗読の材料には適していないと決めている。
●朗読のためのテキスト 私が思うには、素読の段階までは、文字に書いてあるもののすべてが材料となるけれども、レシテーション、つまり専門学校のいわゆる朗読法になると、情に関するものでなければならない。
情には二つあって、一つは実感、一つは審美的な感情である。実感の区域に属する材料は、おもにA生が尊んでいるが、古烈士の談、昔の雄弁家の演説などである。この材料の朗読は、能弁法 Rhetorik レトリックにかんするものだから、能弁学会などに委ねてよい。
審美的な感情に属す材料は専門学校がとりあげるもので、抒情詩、叙事詩、小説(源氏物語)、戯曲(近松の浄瑠璃)などである。
●一人称の作品&三人称の作品 私は先に朗読法、すなわちレシテーションとデクラメーションとの関係を説いてそのちがいを明確にした。だが、デクラメーションの材料となるのは戯曲だけである。戯曲は、文法家がいう三人称を交えずに書かれた唯一の詩の形式で、デクラメーションの方法とは三人称を交えたものではないからである。だから、演説、抒情詩、叙事詩、小説などはみな、レシテーションまでには適しているが、デクラメーションには適さないものである。感情的に最極点までは亢進することができないものだ。専門学校では、生徒に教えるには、言語の抑揚の間に情を表現することであるから、情を表現する法を極端まで発揮するのに適した戯曲を練習の材料にすることは当然である。
以上
AmiVoice SPでは、たいていのソフトの上でダイレクト入力ができるのですが、私が使っている一太郎ver.13では、「自動転送」での直接入力はできないようです。ワードはできます。
そこで設定を変える必要があります。基本設定はオプションの「転送方法」は「自動転送」なのですが、一太郎version13の場合には、「クリップボード」からの転送にする必要があります。この設定では、他のソフトでも有効な場合がありますが、問題が出ることもあります。その場合には、自動転送に戻せばよいでしょう。
むしろ、ダイレクト入力のできないソフトの方が少ないと思われますが、 みなさんからも、ダイレクト入力のできないソフトというものがありましたら、どうぞお知らせください。
◎新規でマイク付きをご希望の方にはこちらをおすすめします。
AmiVoice SP USBマイク付

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AmiVoice SPにバージョンアップされてからは、ユーザー辞書登録のおよその目安は2000語になりました。
現在私の辞書は700から800語というところでしょう。小まめに使う言葉については、複数の読みで登録をしています。例えば、カギカッコです。 “「” については、「かぎ、かぎあけ、かぎあける、かぎかっこ」などです。そして、“」” は「とじかぎ、かぎとじ、かぎとじる」など、さまざまに登録しました。
これらの中から、いちばん学習されやすいものを選択して使うようにしています。そして、不要になった語句は削除するようなこともしています。
要するに、ユーザー辞書登録は必要ならばすぐに登録して、邪魔になってきたらば削除するようなメンテナンスがよいのです。このあたりが、「たまごっち」ソフトとしての音声認識ソフトの特徴かもしれません。
こんな作業は面倒なようですが、日常的にやっておくと、いざ長い文章を思いっきり連続的に入力する場合にはとても楽にできます。問題は、日常のメンテナンスの時間をかけても、あとで取り返しがつくくらい能率的なものなのです。
◎新規でマイク付きをご希望の方にはこちらをおすすめします。
AmiVoice SP USBマイク付

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AmiVoice SPの付属USBマイクがなかなか調子がよいのでお知らせすることにします。
わたしはこれまで、USBデバイスと小型の耳かけ型のマイクを使用してきました。最近、AmiVoice SPの付属USBマイクも使っています。何せ夏なので、耳の周りが暑いのだけがわずらわしいのですが我慢しています。というのも、このマイクがなかなか使い心地がよいので我慢するだけの価値があります。バージョンアップで、これまでのマイクに不満の方は、5,000円出しても買う価値はあると思います。
【正規品】 PLANTRONICS .Audio 626DSP USBステレオPCヘッドセット英語版 AUDIO626DSP

Amazonで詳しく見る by G-Tools いくつか感心している点を挙げておきましょう。
第1に、変換精度がよいところです。ソフトの能力があがったのとともにストレスなく使うことができます。
第2に、丈夫にできていることです。PLANTRONICSのこの前のマイクも買って使用していましたが、口元にマイクの位置を合わせてもふにゃふにゃしていました。これはしっかりと口元に固定できます。
第3に、手元のスイッチが使いやすことです。マイクのオン、オフの切り換え、ボリュームのボタンも使いよいものです。
第4に、ヘッドフォンの音質が非常に良いことです。わたしは音声ファイルの編集をすることがよくあるのですが、他のヘッドホンに変えなくともこれで十分です。
というわけで、マイクのみについてお話しましたが、新たにAmiVoice SPを購入する人ならば、最初からUSBマイク付属の物を求めるとよいでしょう。
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AmiVoice SPをスタートする場合、使いやすい設定にしておくとよい。
ちなみに、私が慣れていて推薦する設定がある。デフォルトと違うのは下記の通りである。
細かい理由については触れないでおく。
(1)入力方法は「直接入力」モードにする。
(2)押した状態でスイッチに使えるスイッチのキーを「右コントロールKey」にする。
(3)句読点の自動挿入を外す。
(4)「えー」の雑音を取る設定を外す。
(5)マスター辞書は、「書きことば」とする。
以上がおもな設定変更である。以上の理由については、
このブログの「
AmiVoice SP」のカテゴリを参照してください。
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Twitterで、AmiVoice SP を買ったという人のスタートの記事を読んだ。かなり困っているようである。
おそらく問題は、スタート時にどのような言葉を入れているかということである。たいていの人が、自分の知っている単語をきれぎれに話して認識させようとしているだろう。
一般的な音声認識ソフトではスタート時に、トレーニングを行うことになっている。AmiVoice SP では、トレーニングは不要ということになっているが、最初は簡単な文のかたちを読み上げるのがよいのである。
スタート時につまずいて音声認識ソフトを投げ出してしまうという人は多いものである。それはたいてい、このスタート時の失敗から生まれるのである。
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